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日本のJpop・音楽業界が衰退した5つの理由と所感

海外生活の長い私にとっては、日本のJpopの最新Hitチャートを聞く機会はまずありませんでした。
日本にいる時もテレビのバラエティー番組はあまり見ない方でした。というか、一人暮らししている間はテレビを持った記憶がないので、テレビ自体見ませんでしたが、日本にいればテレビはなくても何かしらの情報は入ってきます。

 
例えば、こんな場合。

町中を歩いていると、その時の流行の音楽が流れている。

友人とカラオケに行くと、その時の流行曲を歌い始める。

実家に帰ると歌番組の特番とかを家族が見ている。

上記のような状況で、日本にいる時には音楽にさほど関心が無かった私でもそれとなくその時の流行曲を仕入れていました。しかし、海外生活では日本にいる時と同じように最新音楽情報をキャッチアップできるわけではありません。上述した例のような状況はないので、自分で意識して音楽業界の動向に目を向けてネットで情報を集めるしか方法はないのです。

そして再三になりますが、私は音楽にそれほど強い情熱はないので、長い海外生活によって今流行のJpopを全く知らない無粋な奴になってしまいました。ゲスの極み乙女の川谷がベッキーと不倫したり、『ゲス不倫』が日本で流行語大賞を取ったりしても、「お笑いゲ芸人か何かかな?」ぐらいにしか最初は想像できなかったほどJpop情報弱者でした。

久しぶりに最新のJpop音楽を聞いてみた結果

そんな私ですが、久しぶりに良い感じの音楽が聞きたいと思いYoutubeなどで音楽を探していました。流石に少し前に話題になった『BABYMETAL』や『ピコ太郎』くらいは知っていましたが、ヘビーローテーションで聞くほど好みの音楽ではなかったので、そのあたりは置いておいて、いろいろ探しているうちに「そういえば最近、日本ではどんな音楽が流行っているんだろう?」という疑問がわき、最新の邦楽ヒットチャートを聞いてみることにしました。

まず思ったのが「…微妙だ」という事と、「なんで売れてるんだろう」という事です。
音楽は好き嫌いが別れてる趣味だと思いますが、私にとって2016年と2017年前半期の音楽ヒットチャートに上がっている音楽は残念ながら予想以上に惹きつけられませんでした。結果、その中から一曲もわたしのiTunneにダウンロードされる曲はありませんでした。

私が日本を出国する前に流行っていた音楽は『AKB48』や『K-popアイドル』『EXILE』などだったと記憶していますが、はやりそのあたりも自分の好む音楽とは違っていたので、好んで聞いた記憶はありません。特にそのあたりから最新のJpopを聞かなくなったような気がしています。

うすうす気付いていました。「もしかすると、Jpopはオワコンになっているんではないか?」と思い、どうやらネット上にもそんな話題が頻発しているようでした。自分なりにネット上の情報から、なぜ『Jpop終了のお知らせ』になってしまったのか?という話を、私の意見とともにまとめてみたいと思います。

Jpopが衰退してしまった理由

権益・権利主義という音楽業界の病説

JASRACの問題が一時期世間をお騒がせしたのは、有名ですがJASRACという団体は度々Twitter上なので炎上の対象になっています。簡単に説明すればJASRACが音楽の著作権を取り仕切っているという事です。そして、カラオケやメディアなどで既存音楽が使用されるだけで、この団体には二次使用料としてお金がジャンジャカ入ってきているという仕組みになります。
音楽家や作曲家が鼻からスイカをひねり出すような努力で曲を完成させますが、何もしない団体が甘い蜜を搾取できる仕組みは正直、ずるいような気がします。しかし、この団体が音楽の著作権をまとめて管理してくれているというおかげで手軽にテレビやラジオから私たちは音楽を楽しく聞けているという面もあることを無視できません。

しかし問題は、音楽や曲は誰かが作った素晴らしいものであると同時に、『誰もが楽しむべきもの』であるとも言えます。音楽教室著作権徴収の問題を見るとわかりますが、音楽を誰もが自由に楽しめるものではなく、お金を払わなきゃ学べない・聞けない・演奏できないものとして、音楽を楽しむことへのハードルを押し上げているという捉え方もできなくは無いです。

そんな側面から、将来の自由で縛られない音楽を作っていく精神の崩壊に繋がる(現に今においても)という指摘を受けています。

音楽業界全体の縮小が原因説

どんな業界であれ、どんな会社であれども、一旦綻びが始まればそれを食い止めることはなかなか難しいです。私たち日本は発達した社会性を持つ国ですが、そんな日本という国ですらデフレスパイラルという社会問題を抜け出そうと、何年もの間もがき続けています。

音楽業界においても同じことが言えます。「ミリオンセール達成!」「レコード販売売上更新!」という音楽業界にとって景気の最盛期を迎えた90年代〜2000年代は日本の社会自体も景気が良く、「いい曲を作ってドンドン売ろう!」「売り方はこうで。音楽の方向はこうで。」と業界人は自分たちの進む道が明確に見えていました。

ところが、音楽ブームはいつの間にか火が消えました。いろいろな娯楽産業の発達ともに音楽以外への趣味の幅が広がったためであるとも言えますが、「全然売れない」という事実から、「プロモーションの仕方もお金をかけれない」「時間をかけて曲を作っても金にならない」という流れになりました。つまり『音楽業界衰退スパイラル』状態と言えるかもしれません。

しかし逆にこの状況は、「お金儲けで音楽をするのではなく、本当に音楽が好きな人」にとっては自分の土俵であると言えます。本当にこだわった音楽が登場できる状況にあるとも言えますので、そういった意味での期待は高まっています。しかしながら、現在において日本の音楽業界を再び沸かすほどのアーティスト・プロデューサーは登場していないのが現実です。

特定の戦犯がJpopを破壊した説

インターネット上の人々の中では、まことしやかに特定の人物によるJpop破壊説が囁かれています。代表的な例を紹介します。

小室哲哉

ヒット曲をドンドン世に送り出した伝説的な音楽プロデューサーとして、日本の音楽業界に多大な貢献をしたイメージが強いですが、ネット上の評価では本人が売れるという認識を持つようになってからは、粗製乱造の音楽リリースが常習されるようになり、Jpop全体の音楽の質低下に繋がったといった評価も見受けられます。
たしかに、KTプロデュースのアーティストの中には数曲のヒット曲を出したものの、その後見捨てられたような方もチラホラいることも事実です。

秋元康・つんく♂・ジャニー喜多川

御三方ともに言わずと知れたアイドルプロデューサーです。プロデュースしたアイドル達も時代ごとのミリオンセール級の音楽を世に出してきました。しかしながら、見方を変えれば音楽の質や歌唱力よりもアイドルとしての見た目重視の戦略だと言えます。AKBなどはその顕著な例で海外の評価では、パートも変えずに大人数で混声合唱しているのは不思議に見られています。
CDの売り出し方も、握手券などを特典として同封することで、CDが無くても買うのでは?という水増し売上げではないかという見方もされていることは事実です。

AKBについて思うこと

個人的には作曲者には責任がないと思います。またAKBの曲もいい曲があることも思いますが、選挙券などを同封してCDの売上を伸ばすことはAKBとは関係ないJpopのランキングに不要な影響が生じるので、AKBに興味がない人にとってはどうでもいいことで、そういったことはCDの売上とは別の世界で行ってほしいと思います。

Jpop音楽の飽和状態による飽きられた説

私の場合はJpopと聞くと、80年代〜2000年代初期音楽のポップスやポップ・ロックのリズムの曲など思い浮かべます。そして、これらの曲調は実に20年間以上にもわたり多くの曲がリリースされ、私達の心を癒やし続けて来ました。とてもロングランで人気があったジャンルだと言えます。(実際には、ロックもR&BもヒップホップもJpopに含まれます。)

しかし、Jpopを日本の心という人はいません。日本の音楽の心はと聞かれれば、演歌と答えるでしょう。演歌の謳い文句は『演歌は日本人の心』です。このセリフに心から納得がいくのが60歳後半〜くらいの層ではないでしょうか?演歌はその年代の方々が青春時代に親しまれたのが、演歌であったりフォークやブルースであったりすると思います。

もし、50年前からiPodがあれば、入っている曲は、演歌であったりブルース・フォークであったり、あるいは軍歌でったりしたかもしれません。もしも、400年前にiPodが存在していれば、当時の人々はiPodに能や歌舞伎や浄瑠璃の曲を入れていたことでしょう。

Jpopの曲が廃れてきたのは、時代が変わることでブームが去ったと考えるのも妥当かもしれません。その証拠に最近のヒット曲はクラブミュージックやEDMなど、まだ日本では隆盛・発展を見ていないジャンルの曲で、Jpopの衰退は飽きられたため半ば必然であり、これからは別ジャンルが日本の主要音楽になる時代を迎えようとしているだけなのかもしれません。

ネット業界に取って代われた説

最も信憑性が高いと感じられるのは、インターネットの繁栄によって音楽業界が衰退したと見る説です。実際に、インターネットの繁栄は多くの既存業界の権益に被害を与えています。出版業界、テレビ業界、広告業界、卸売市場、そして音楽業界です。

各業界が、インターネットの繁栄によってどのように影響を受けたかという説明はここでは省きますが、音楽業界にだけ関して説明をすると、携帯電話による音楽配信の開始時期や動画視聴サイトの利用者の増加などが音楽業界のセールス低下の時期と重なっているデータがあります。

理由は言わずもがなですが、音楽をCDとして購入せずともインターネットで視聴・ダウンロードできるという側面が強いのではないでしょうか。またインターネットによる打撃を一番被ったテレビ業界からの余波も受けていると見ることができます。

インターネットが無い時代では、テレビやラジオに踊らされるように、「流行はコレだ」「人気の曲はコレだ」という情報に飛びついていた大衆も、インターネットが出来た時代以降はそれぞれが自分に合った楽曲や趣味を選べるような環境になりました。

どれだけ大々的な宣伝をしたとして、それを宣伝であると見抜けなかった大衆が、本質を見抜ける集団へと成長した結果、音楽もテレビの宣伝よりも曲そのものの良し悪しが重視されようになったと言えます。結果として音楽業界の最大の隆盛期は幕を閉じたと言えるのかもしれません。

Jpop衰退の結論

上述で取り上げてきましたJpop並びに日本音楽業界の衰退ですが、いろいろな原因がありますが、実際にはその全てが複合的な要因として関係しているのではないかと思います。AKBの選挙券問題なども世間的には取りたざされてきましたが、AKB以外に有能なアーティストが存在していれば、話題にもならないことですし、AKBも元々は秋葉原の隅でヒッソリやっていたアイドルだったので、テレビなどのメディアが中々大型新人が現れない業界に対して、新しいドル箱として引っ張ってきたという印象があります。

私はインターネットをなりわいとしているので、複雑ですがやはり一番の音楽業界衰退の原因はインターネットではないかとは思っています。しかし、時代というのは変わっていくもので、「インターネットのせいで音楽業界はオワコンだ」とヤケにはならずに、音楽業はインターネットを通して今後はどういう戦略で行くのかを思考し、アーティストには今までと変わらない熱意を持っていい音楽を作っていって欲しいと思います。

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