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タイが親日なのはなぜなのか?の大きな理由3つ

タイは日本人にとって住み心地が非常に良い国です。
様々な理由がありますが、中でも一番の理由は、多くのタイ人が親日であり日本に親しみを持ってくれており、とても好意的であるからです。
日本のアニメや漫画などのサブカルチャーは世界中で人気を博していますが、それだけではないタイにはタイならでは事情があり、日本を好意的に捉えてくれていると言えると思います。

では、なぜタイはこれほどまでに親日国家なのか?その理由を3つ挙げてみたいと思います。

タイと日本には、歴史的なわだかまりがない

何かと諸外国に悪く言われる第二次世界大戦中の日本ですが、タイでは『クーカム』という戦時中の日本兵が登場する映画が度々制作されており人気があります。少し違うかもしれませんが、日本で言うところの『忠臣蔵』のように、隔年で制作が行われ、タイの一般国民的にも非常に認知度が高い映画です。
例えば、日本兵が登場するドラマを多く作っているのは、お隣の中国ですが、中国のドラマに登場する日本兵はとにかく悪逆非道に描かれています。

しかし、タイの映画『クーカム』では、日本兵が悪者として描かれているわけではありません。主人公である日本人青年兵『コボリ(おそらく小堀さん)』とタイ人女性の戦時中の悲恋を描いた物語です。タイ人の対日感情が良いのは、ここに登場するコボリが非常に好青年ことが一役買っていると思われます。(※タイ人女性に人気の外国人男性の上位にいつも日本人がランクインしています。おそらくクーカムのコボリも多少影響を与えている。)

実際のところ、第二次世界大戦のさなか基軸国の戦況が優勢と見なされた際には、タイは日本と一時的に同盟関係を結んでいました。日本軍がタイに駐屯し現地の人々に労役を課した事もあったようですが、両国間に大きな軍事的衝突はありませんでした。タイからすれば、日本人に悪い感情をいだく名目は殆ど無いということになります。
中には戦時中の日本をよく思っていないタイ人もいますが、「昔のことは気にしない。今を楽しく生きることが大切」というタイ人の国民性から、過去の歴史を過剰に批判の的にすることは少ないように感じます。

 

さらに近年、江戸時代初期に日本からタイに渡った山田長政という武士を主人公にした映画『サムライ・アヨタヤー YAMADA』も制作されました。この山田長政は実在の人物で、現在もタイの中部アユタヤーには山田長政らが普請したとされる日本人町の跡地があります。


この山田長政は当時のタイのアユタヤー王朝に仕える事ができた非常に優秀な人でした。脚中では刀やムエタイを武器にした花々しい活躍をしております。史実でもスペイン艦隊の二度に渡るアユタヤ侵攻を阻止するなどの功績を残しましたが、最終的には王朝内の政権争いに破れ失脚してしまい、遂には暗殺された伝えられています。その際に、日本人町も王朝の加護を失い廃れてしまいました。残念ながら今日のアユタヤー日本人町跡には、日本文化を忍ばされるものは残されておりません。

ここで私は敢えて、「タイ人よ。どれだけおおらかなんだ!」と声を大にして言いたいです。日本国内で、外国人を主人公にした映画を制作するでしょうか?そして、それがヒットするでしょうか?せいぜい三國志や西遊記を題材にした物くらいです。そもそも山田長政の例を見ても、時の政権の中枢に外国人を抱え込むという判断ができるのもタイならでわだと思います。

江戸時代初期から深い国交がありながら、21世紀の現代まで軍事的な衝突がない平和な関係を維持し続けられたという理由が、現代の日本とタイの両国間の友好関係を築けれている最大の要因と言えるでしょう。

タイの王族と日本の皇族の結び付きが強い

以前に意外と知られていないタイ人と日本人の5つの共通点とは?でも紹介しましたが、日本とタイはそれぞれが皇室と王室を頂いている国です。しかし、王室と皇室の共通点について日本人サイドから見るとそこまで重要な事だと思えないかもしれません。それについて少し説明を交えたいと思います。

タイという国とって、国王や王族は欠かすことができない国民の重要なアイデンティティーであり、国王を“国父”と例えられように国家を個人と見立てれば、非常にパーソナルな存在といえます。日本においても皇室には同様のことが言えると思いますが、多くの日本人が皇室を貴重な存在と認識しつつも、日常生活において特別な敬意を抱いてはおりません。歴史から見れば第二次世界大戦後の後処理を行ったGHQが、天皇を中心においた日本社会を解体した事が、現在の日本国内の皇室権威低下の理由と言えます。

しかし、タイの場合は外圧的に王室の権威を揺るがされるような状況は未だ無く、街中の至る所にタイ王族の写真が溢れています。おそらくですが、全ての飲食店にはタイ国王陛下の写真が飾られています。これは、なにかしらの法的で規制がされているものだと考えられます。また、タイ国内で流通されているすべてのバーツ紙幣にもタイ国王陛下のお写真が印刷されています。
王室の権威維持には少々行き過ぎた面もあり、王室に対するあらゆる暴言・批判を刑罰の対象とする”不敬罪”と言うものが存在します。そのため、タイ人も家の外で王室の話をすることには注意を払っています。(事実、王室への批判を記事にした外国人のジャーナリストもタイ国内で逮捕されており、現在受刑中となっています。私もタイ国内にいる間は滅多なことを言えないし書けないわけです…)
昨年、プミポン国王陛下が崩御された際には、黒の服を着て国王陛下への弔慰を示す事が推奨され、一部のナショナリズムに掻き立てたれたタイ国民は、「国王陛下の崩御に対し、喪に服さない者には暴行を働く!」とSNSに投稿して問題になりました。

このように、タイ人にとっては国王・王室とは非常に大切な存在であると認識できます。戦前の日本でも同様の形で皇室の権威維持が行われていたのではないかと考えさせられます。しかしながら日本の皇室は、日本人が日本国内で生活をする上で関わり合いの薄い存在になってしまいました。そのため、現代の日本人がタイ人ほど、日本の皇室とタイの王室について共通意識を持つ事は難しいかもしれません。恥ずかしい話、当の私もタイに来るまでタイの国王陛下やタイ王室の事を詳しく存じておりませんでした。

一般的な日本人が皇室を意識することの何倍もタイ人はタイ王室を意識しているので、タイ人は日本の皇室について、「自分たちが大切に思っている王室と同等に日本人にとって皇室は価値ある存在である。そして、私達タイ人と日本人は王室と皇室を頂いてい国民同士である。」という深い意識を持ってくれています。
通常、人間は自分と似た性質をもつ人間に共同意識・仲間意識を持ちやすいと言われています。さらに共通点がより深いパーソナルな部分に存在すればするほど、深い共同意識を持ちやすい傾向にあるそうです。「親友という言うべき存在を人が選ぶ時、無意識下に自分に似ている人を選んでいる。」とは、よく言われている事です。

さらに、タイ王室と日本皇室は深い親交があることは、日本とタイのそれぞれの国の国内では有名な話です。「自分の親友の親友には悪いやつはない。」という感情に近いかもしれませんが、タイ人はタイ人にとって大切なタイ王室の友人である日本皇室、それを戴いている日本人を無条件に友好的に思ってくれているのかもしれません。

バンコクに溢れる日本語の多さと、長く続く日本ブーム

タイ国内では日本ブームの一定支持が長く続き、その熱は不思議なことになかなか冷める気配がありません。

たまたま知り合ったタイ人の多くが、「タイ人はみんな日本が好きだよ」「タイ人は日本食が好きだよ」「タイ人はみんないつか日本に行きたいと思っているよ」など非常にポジティブな意見を伝えてくれす。他には日本語を一言も話せないタイ人でも、「私は昔、日本の企業で働いていたよ」という人も多いですし、自分が日本人だと伝えるとあからさまに態度が良くなるタイ人も多いです。
興味深いのは、タイで起きた日本ブームのほとんど、タイ人自身が自発的に火をつけたブームであり日本人は殆ど関与していないといことです。

上述したとおり『タイと日本には、歴史的なわだかまりがない』『タイの王族と日本の皇族の結び付きが強い』というのは、日本に対してポジティブに捉える材料になりますが、日本好きになったり、日本ブームが起きる大きな理由にはなりえないと思います。
日本ブームを育てたバックボーンには、実はタイ国内における日本のサブカルチャーの浸透があったと言えます。タイで一番人気のアニメキャラクターは『クレヨンしんちゃん』『名探偵コナン』『ドラえもん』でまず間違いありませんので、日本のアニメーションを見て育ったタイの子供達にとって、日本文化は幼い頃から身近な存在であったわけです。

例えば、私は日本の田舎の出身ですが、テレビで放送されている東京を舞台にしたドラマ・アニメを小さい頃に見て育ったので、いつか田舎を出て東京に行きたい!と思ったものです。これに近い感情が、タイ人の深層心理に実は存在しているのではないでしょうか。

タイ国内で日本ブームを一番身近に感じられる点はタイの巷に溢れかえる日本語があります。これは、タイを訪れたことがない日本人にとっては驚くべき量だと断言できます。


単純に日本企業のアウトソーシング先がタイに多くあるため日本人の駐在員が多く住んでいるという理由や、その駐在員達のための日系の飲食店や歓楽街が多いという理由もあります。しかし直接的に日本人が関わっていないタイ人経営の看板やメニューなどでも、ちょっと間違った日本語やなんか可笑しい日本語を見かける機会も少なくありません。他には、ローマ字で「NAGANO」「HOKKAIDO」「KAWAII」「SAKURA」という記載がされている商品やお店もよく見ます。

日本国内にも、フランス好きが多いというわけではないのにも関わらず、日本人には読めない事をいいことに間違ったフランス語や正しくないフランス語で書かれている看板が多いそうです。私もデザイナーとしてデザインする際に、意味は後付けでも何かしらの雰囲気を演出する目的で、フランス語っぽい文字感を装飾してみたりすることがあります。
これと同様にタイ人感覚では日本に対するポジティブな感情と相まって「日本語表記がなんかカッコイイ」と思っているわけです。これは日本人感覚では理解が難しいと思います。
この感覚からタイ人は、プランニングの材料として『日本ぽい雰囲気』を演出することを選択するケースが多いと感じます。つまり『良い品質』『健康的』『モダン』といった印象を商品やブランド価値に落とし込むために日本語を流用したネーミングを多用しているようです。

結果的にこのプランニング戦略はタイ人に受けがよく、タイの日本風飲食店グループである「OISHI」や「FUJI」などタイ人をターゲットとして商業的な成功を収めています。現在では、このグループは板前も経営者もタイ人のはずですが、日本食レストランメーカーとして日本以外の諸外国にも店舗を展開中です。(日本のファミレスの洋食=タイのファミレスの日本食という感じです)

上述のとおりですが、『日本語らしきもの』『日本ぽい雰囲気のもの』に対して多くのタイ人が無意識の内にポジティブに捉えてくれており、そこにタイの先見のある企業が戦略をフォーカスすることによって、タイ国内の消費者と企業間でやり取りが増えていき、殆ど自動的に日本ブームが生まれて今日に至るものだと思います。

最後に、タイが親日な理由の結論

なぜタイはこれほどまでに親日国家なのか?その結論3つは以下の通りです。

・タイ人は日本人に対して、ネガティブ感情が少ない
・タイ人は日本とタイの共通点に対して、日本人にシンパシーを感じやすい
・タイ人はタイ国内の企業と消費者間で、自発的な日本ブームが起こっている

日本は周辺諸国とは、残念ながらあまり仲良くありませんが、世界には親日国タイがあることをお忘れなく!

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タイが親日なのはなぜなのか?の大きな理由3つ

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