インドと日本は同じアジア圏に属した国ですが、そのお国柄や文化や国のスケールなんかは、何から何まで違います。私はインドに住んでいた経験から、インドのことを「あらゆる面において、日本と対局にある国だ」と感じています。
インドを訪れる日本人からすれば、そんな全く違った国だからこそ、日本と全くかけ離れた文化を体験し、インド魅力にハマっていく人が多いのかもしれません。

日本人の持つインド人の印象は？

日本にいて海外と全く接点のない日本人からすれば、インドは遠い国でそれほど身近な国ではないと思います。多くの日本人が持つインドのイメージは下記のようなものがあるのではないでしょうか？

・「インド人はカレーとナンを食べる」
・「インド人は美男美女が多い」
・「インドはアジア独特の魅力的な文化がある」

一方でネガティブなイメージも強いかもしれません。
・「女性軽視があり、凶悪なレイプ犯罪がある」
・「街中が汚く、川には糞尿や死体が流れている」
・「貧しい人々が多く、物乞いが多い」

上記のどれもが当たっていると言えば当たっていますし、間違っていると言えば間違っています。
インドは広いので、国中には多様な文化があります。毎日カレーを食べているわけではないことや、人種的にも東西南北で全く異なっていることを、インドを訪れれば感じることができると思います。

つまり百聞は一見にしかず、の諺の通り仕方ないとは思いますが、日本国内でステレオタイプな日本人の想像と、実際の国の現実では、そこそこのズレがあるものです。

インド人から見た日本人とは？

それでは、ステレオタイプのインド人が見聞きした日本人は一体どのように映っているのでしょうか？
まず、多くのインド人が日本人・韓国人・中国人の見た目上の差をあまりハッキリ理解していません。これはしょうが無いことで、私たち日本人も、インド人・スリランカ人・バングラデッシュ人あたりはほとんど見てわかりません。

そのため「PPAP」と中国人に言ってみたり、「カンフー使えるか？」と韓国人に言ってみたり、「ガンナムスタイル」と日本人に言ってきたりします。

つまり彼らインド人からすれば、まず「東アジア系の人」という枠で評価されています。私達が肌が黒くて堀が深い人は国籍がわからずとも、「中東・アラブ系の人」と判断するのと同じです。

その前提を踏まえた上で、日本人だと理解してもらった際の印象は下記のようものです。

・「テクノロジーが発達している」
・「とても綺麗な国で、自由な国である」
・「戦ったら強いので、怖い」
・「生の魚や虫を食べている」
・「自分たちに友好な国民である」

まさに、ステレオタイプな意見ですね。

インドの中のインド人へ。正解発表

「テクノロジーが発達している」というのは正解としておきましょう。
「とても綺麗な国で、自由な国である」というのは、綺麗で規則正しい国であるという意味では正解かもしれませんが、日本社会は集団主義の社会なので個人の自由がそこまで主張できるかといえばNoになります。
しかし、インド人の彼らからすれば、親の意見は絶対であり恋愛結婚の自由も家庭によってはありません。カースト制度のため生まれながらに職業選択の自由すらもないわけで、日本が自由な国だと思っている事は、彼らからすればそこまでハズレいるわけではないかもしれません。

なかなかに、ハズレに近いのは「戦ったら強いので、怖い」「生の魚や虫を食べている」ではないでしょうか？
インド人から見て、東アジア系はまとめて「ジャッキー・チェン」や「ブルース・リー」のカンフーのイメージが強いようです。体は小さいですが、動きが早く手や足や椅子なんかを駆使して、苛烈に攻撃してきそうなイメージを持っているようです。

お刺身やお寿司という名前の料理の生魚を食べていることは正解ですが、日本人は虫は食べません。（※一部では食べる地域もあるようです。）

タイやラオスなどの東南アジアでは、昆虫食は割りと一般的な庶民のご飯で、大型のスーパーなどでは芋虫が売っていたりします。インドからすれば、自分たちの国の東のアジア地域では、虫を食べているという印象が強くて、まとめてそのように思われているかもしれません。

 
最後になりますが、インド人は日本人を自分たちインド人と仲の良い国民だと認識してくれています。これは、インドの現首相であるナレンドラ・モディ氏が親日家であり日本の安倍晋三首相と懇意にしていることや、第二次世界大戦中にインド人と日本人の連合軍がイギリスと戦っていたことなどが、起因しているということです。
インドと日本は文化が全く異なる国で、お互いの印象も複雑なものがありますが、お互いに尊重しあえる友好国同士です。これからもお互いの国民が、友好な関係を続けていければいいですね。