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Skype for Business Online のアーカイブ

Japan Lync/Skype Support チームの和気です。
 

Skype for Business Online では、監査などを目的とした IM や会議コンテンツのアーカイブの機能が実装されています。
アーカイブの機能については、下記 URL に記載されている通りとなりますが、少々記載にわかりにくい点があるため、補足させていただきます。

Title : セキュリティとアーカイブ >>> アーカイブ
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/skype-for-business-online-security-and-archiving.aspx

アーカイブの対象となる/ならないデータ

Skype for Business Online のアーカイブの対象となる、もしくはならないデータは以下の通りとなります。

– アーカイブされるデータ

  • P2P の IM
  • マルチ パーティおよび会議の IM
  • 会議でアップロードされたコンテンツ

– アーカイブされないデータ

  • P2P の IM/通話で、転送されたファイル
  • P2P の IM/通話および会議で実施された、音声/ビデオ通話の内容
  • P2P の IM/通話および会議で実施された、アプリケーション共有の内容
  • 会議におけるコメント

なお、上述の技術資料に記載された下記 2 点については、IM の内容がアーカイブされないことを示すものではなく、
P2P IM (もしくは IM なしの音声/ビデオ通話) で開始された “音声/ビデオ” および “アプリケーション共有” の内容をアーカイブできないことを示しております。

  •  ピアツーピアのインスタント メッセージおよび会議の音声/ビデオ
    (原文: Audio/video for peer-to-peer instant messages and conferences)
  • ピアツーピアのインスタント メッセージおよび会議のアプリケーション共有
    (原文: Application sharing for peer-to-peer instant messages and conferences)

どういうデータが残るのか?

会話/会議ごとに一つのアイテムが作成され、保管されます。
アイテムはまとめて PST ファイルとしてエクスポートし、ローカルに保存して参照することが可能です。

以下に、具体的なログのイメージをご紹介します。
 

例 1 : P2P のログ

こちらは P2P IM のログになります。

途中でファイルの転送を行っていますが、ファイルの実体はアイテムに添付されていません。
(P2P で転送されたファイルはアーカイブされないデータであるため)


 

例 2 : 会議のログ

こちらは会議のログになります。

ユーザーの入退室や各機能の利用状況などが記録されます。また、会議中にアップロードされたコンテンツ (この場合は PowerPoint 共有されたファイル) がアイテムに添付されており、ファイルそのものも保管されています。


 

Skype for Business Online でアーカイブを有効にするには

Skype for Business Online のアーカイブは、Exchange Online との連携で実装されています。

アーカイブを有効にする場合には、Exchange Online のユーザー メールボックスに対してインプレース保持、もしくは訴訟ホールドを有効にしてください。
メールボックスに対してインプレース保持、もしくは訴訟ホールドを有効にすることで、Skype for Business Online の IM や会議コンテンツが各ユーザーのメール ボックスに保存され、さらにメールとともに IM や 会議コンテンツがインプレース保持もしくは訴訟ホールドの設定によって保管対象となります。
 

なお、上述の技術資料には以下の記載がございますが、正しくは、インプレース保持だけでなく訴訟ホールドによっても制御されます。

  • アーカイブ機能には Exchange が必要で、ユーザーの Exchange メールボックスのインプレース保持属性によって制御されます。

インプレース保持、および訴訟ホールドの設定方法、およびアーカイブされたデータの参照方法については、以下の資料をご参照ください。

– インプレース保持の設定

Title : インプレース保持を作成または削除する (Exchange Online)
URL : https://technet.microsoft.com/library/dd979797(v=exchg.150).aspx

Title : 保持ポリシーを作成する (Office 365 セキュリティ/コンプライアンス センター)
URL : https://support.office.com/ja-jp/article/2a8940d5-929b-4ac5-abae-82cda3e702bc

– 訴訟ホールドの設定

Title : メールボックスを訴訟ホールドの対象にする (Exchange Online)
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dn743673(v=exchg.150).aspx

– アーカイブされたデータの参照

Title : Office 365 セキュリティ/コンプライアンス センターでコンテンツ検索を実行する
URL : https://support.office.com/ja-jp/article/61852fd9-fe8a-4880-a339-cb19ed3bff4a

なお、Exchange Online にもアーカイブ (インプレース アーカイブ) の機能がありますが、Exchange Online のアーカイブと Skype for Business Online のアーカイブとは特に関連のない個別の機能です。Skype for Business Online のアーカイブは、インプレース保持、もしくは訴訟ホールドを有効にすることで IM や会議コンテンツが保管される機能を指しています。
 

会話履歴とは違うのか?

IM の保存、といえば、似た機能として会話履歴 (Conversation History) があります。しかし、アーカイブと会話履歴はそれぞれ異なる機能です。
 

会話履歴 (Conversation History) は、各ユーザーの IM や通話の履歴をメールボックスの [会話履歴] フォルダーに保存し、Skype for Business クライアントおよび Outlook などかユーザーが自身の履歴を参照する目的で実装されおり、具体的には、Skype for Business デスクトップ クライアントの機能とサーバー側の機能 (主にモバイルや OWA IM など向け)によって実装されています。

一方、アーカイブは、監査などを目的としており、データはユーザーのメール ボックスの [DiscoveryHolds] もしくは [Purges] フォルダーに保管され、ユーザーが削除することなどはできません。管理者側でメールボックスを横断して一括して検索し、過去の IM や会議コンテンツを参照可能となっており、会話履歴とアーカイブは、想定している目的、利用者 (ユーザー/管理者) が異なる別の機能となります。
また、アーカイブの機能は、サーバー側の機能として実装されており、そのため、Skype for Business クライアント側の会話履歴の設定やご利用のクライアントの種類に依存せず、情報が保存される動作となっています。
 

したがいまして、ユーザーによる履歴参照を目的とするのか、管理者による監査などを目的とするのか、など必要に応じて会話履歴/アーカイブの機能は使い分けてください。
 

こんなケースでもアーカイブはされるのか?

上述の通り、アーカイブと会話履歴には IM が保存されるという類似点もあり混同される場合もありますが、異なる機能となります。
そのため、以下のような会話履歴が無効化されている状況においても、アーカイブが有効になっていればアーカイブ データは保存されます。

– 会話履歴が無効となっている場合

  • Skype for Business クライアント側で会話履歴が無効となっている
  • クライアント ポリシーで会話履歴を無効化している

加えて、サーバー側の機能として実装されているため、以下のような Web ブラウザ ベースのクライアントをご利用の場合もアーカイブ データは保存されます。

– Web ブラウザ ベースのクライアントをご利用の場合

  • Skype for Business Web App を利用し会議に参加をしている
  • OWA IM を利用している

要件により、データのアーカイブが必要なケースは多々あるかと思いますので、ぜひ Skype for Business Online のアーカイブの機能をお役立てください。

免責事項:
本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。

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