Details Of Philly Manufacturing Index Improves, Jobless Claims Imply Better Payrolls. 米10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数と米新規失業保険申請件数をおさらいしていきます。 米10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数（フィリー）は9.7となり、市場予想の5を下回った。2015年1月以来の高水準だった前月の12.8から鈍化している。 主要な項目の内訳をみると、仕入れ価格や販売価格が下振れした程度で全体的に改善が目立つ。新規受注は2014年11月以来の水準へ躍進し、出荷も分岐点を回復しただけでなく6ヵ月ぶりの水準へ上昇した。雇用は平均労働時間もマイナス幅を縮小している。詳細は、以下の通り。 ・新規受注　16.3、2ヵ月連続で分岐点に乗せ2014年11月以来の高水準＞前月は1.4、6ヵ月平均は2.9 ・出荷　15.3、分岐点を回復し6ヵ月ぶりの高水準＞前月はマイナス8.8、6ヵ月平均はマイナス3.1 ・在庫　マイナス12.8、16ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス26.2、6ヵ月平均はマイナス10.8 ・雇用　マイナス4、9ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス5.3、6ヵ月平均はマイナス7.5 ・週当たり平均労働時間　マイナス2.2、7ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス11.7、6ヵ月平均はマイナス9.5 ・受注残　マイナス0.7、3ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス10.8、6ヵ月平均はマイナス7.7 ・入荷時間　マイナス0.3、2ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス9.3、6ヵ月平均はマイナス5.8 ・仕入れ価格　7、7ヵ月連続の分岐点乗せ＜前月は20.6と2014年10月以来の高水準、6月平均は16.0 ・販売価格　マイナス3.7＜前月は9.7と4ヵ月ぶり高水準1、6ヵ月平均は5.4 6ヵ月先見通し指数は32.6と、前月の37.5を下回った。2015年1月以来の高水準を達成した前月の45.8から減速を続けている。 現況（オレンジ）と見通し（グレー）、そろって低下。 （出所：Federal Reserve Bank Of Philadelphia） ――エンパイアに続き前月値を下回っただけでなく、見通し指数も鈍化しました。確かに全体の詳細は改善の兆しを示すものの、仕入れ価格と販売価格の低下には注意。原油先物が50ドル台を回復したとはいえ、インフレの伸び悩みと価格決定力の弱さを白日の下にさらしています。製造業の業績の足かせとなり、こうした事情が見通し指数に反映されている可能性を残します。 ▽米新規失業保険申請件数は雇用統計サンプル週に増加も、4週平均は改善 米新規失業保険申請件数は米10月雇用統計サンプル週に10月15日週に26.0万件と、市場予想の25.0万件を上回った。1973年以来の低水準に近い前週の24.7万件（24.6万件から修正）を超え、9月10日週以来の26万件乗せ。労働省は特殊要因を指摘せず、30万件割れは85週連続と1970年以来で最長だという。4週平均は25万1750件と9週ぶりに増加し、1973年の最低から転じた。 10月8日週までの継続受給者数は205.7万人と前週の205.0万人（修正値）を上回り、2000年以来の最低から増加に反転した。被保険者に占める失業者の割合は、5週連続で過去最低の1.5％を保った。 米新規失業保険申請件数の4週平均は低下トレンドを維持も、米9月LMCIとは乖離。 （作成：My Big Apple NY） 10月8日週の州別動向は、以下の通り。 （増加が顕著だった州） ・カリフォルニア　5141人増 ・ペンシルベニア　3698人増（前週は1322人増、3週連続で3桁増） ・テキサス　2558人増（前週は371人減） ・ニューヨーク　2093人増 ・ワシントン　2069人増 （減少が顕著だった州） ・サウスカロライナ　17人減 ・メイン　8人減 ――米新規失業保険申請件数はヘッドラインこそ約1ヵ月ぶりの高水準でしたが、米10月雇用統計サンプル週に4週平均が25万1750人と1ヵ月前の25万8250人から減少しています。米9月雇用統計・非農業部門就労者数から改善する可能性を示唆しました。ホリデー商戦の臨時雇用が押し上げ効果への期待も、留意しておきたい。フロリダ州周辺で激しい変動を確認せず、ハリケーン「マシュー」の影響も限定的でしょう。 （カバー写真：Pikakoko/Flickr）