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米4月消費者信頼感は予想外に上昇も、労働市場の楽観後退

Consumer Confidence Rebounds, While Labor Market Optimism Fades. 米4月消費者信頼感指数は128.7となり、市場予想の126を上回った。前月の127.0(127.7から下方修正)を超え、2000年11月以来の水準へ上振れした2月の130.0に接近している。期間中、トランプ政権が鉄鋼・アルミ関税を発動し知的財産権侵害を背景に中国輸入品への関税賦課検討を発表、米株安を迎えたものの、予想外に信頼感は上向いた。内訳をみると、現況指数が159.6と前月の158.1(159.9から下方修正)を上回った。2001年2月以降で最高となった2月の161.2(162.4から下方修正)に次ぐ水準となる。見通し指数も108.1と前月の106.2には届かなかったが、2001年5月以来の高水準だった2月の109.2に接近した。 発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、結果を受け「収入が前年比で低下するとの予想は2000年以来で最低だった」と説明した。所得への懸念が後退しているだけに、「数ヵ月先も一段の成長が期待できる」と楽観的な見方を寄せる。 消費者信頼感指数、2000年11月以来の高水準近くへ上昇。 (作成: My Big Apple NY) 現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは22.9と、2001年6月以来で最高を記録した前月の23.8(25.0から下方修正)を下回った。以下は、結果の詳細。 ビジネス環境については、「良い」と「悪い」が低下 「良い」35.2%→前月の37.6%から上昇、前年同月は32.4% 「悪い」11.3%→前月の13.3%から低下、前年同月は13.7% 労働市場については「豊富」が低下し「困難」が上昇、DIは22ヵ月連続でプラスを示す 「職が豊富」38.1%→前月の39.5%から低下、前年同月は30.3% 「あまり職が豊富ではない」46.7%→前月の44.8%から上昇、前年同月は50.3% 「職探しが困難」15.2%→前月の15.7%から低下、前年同月は19.4% 6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」が上昇し、「悪化する」が低下 「良くなる」24.5%→前月の23.2%から上昇、前年同月は25.1% 「悪化する」9.7%→前月の10.2%から低下、前年同月は10.4% 「変わらず」65.8%→前月の66.6%から低下、前年同月は64.5% 6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」が低下し「減少」が上昇、ただ「増加」が18ヵ月連続で「減少」を上回る 「雇用が増加する」19.5%→前月の18.9%から上昇、前年同月は21.9% 「雇用が減少する」12.5%→前月の12.5%と変わらず、前年同月は13.8% 「変わらず」68.0%→前月の68.6%から低下、前年同月は64.3% 6ヵ月先の所得への見方は「増加」と「減少」が低下 「増加する」23.1%→前月の23.2%から低下、前年同月は18.7% 「減少する」6.8%→前月の8.6%から低下、前年同月は7.6% 「変わらず」70.1%→前月の67.9%から上昇、前年同月は73.7% 購入見通しは、前月と反対に全てが上昇した。自動車は13.2%と、3ヵ月ぶりの高水準だった。家電も54.3%と4ヵ月ぶりの水準へ上昇。住宅に至っては7.8%と、前月の6.0%を超え過去最高を更新した。 ――米4月消費者信頼感指数は、3月ベージュブックと違ってトランプ政権の通商政策や米株安にもめげず、2000年以来で最高近くを保ちます。所得層でみると、高所得者層(12.5万ドル以上)を除き、全てセンチメントの上向きを確認。高所得者層は、米株安による資産効果の低下が影響したのでしょう。カンファレンス・ボードでは、大統領選挙があった2016年11月以降、初めて株安の予想が株高を上回ったといいます。 (作成:My Big Apple NY) 労働市場への楽観が後退した点も、気掛かりです。労働市場で「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは2ヵ月連続で低下していました。米3月雇用統計・非農業部門就労者数と合わせ、労働市場に鈍化の兆しが現れたのか注意が必要です。振り返れば、税制改革法案成立で恩恵が期待されていた建材機器メーカーのキャタピラーの1~3月期決算は好調で、通期見通しを引き上げたものの、業績は1~3月期に頭打ちとなる可能性を指摘。さらに同社は、原材料コストの上昇で利益率が圧迫する可能性を示唆していました。税制改革法案成立で期待されたほど企業は採用に積極的になりきれず、株主還元策に振り向けやすい構図があらためて浮かび上がります。 (カバー写真:TMimages PDX/Flickr)



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