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バロンズ:成長鈍化、インフレ上昇で投資家はどこへ向かう

Barron’s : Investors Seem To Prepare For Stagflation Trade. バロンズ誌、今週のカバーは割安株にスポットライトを当てる。ウォーレン・バフェット氏からベンジャミン・グラハム氏まで、著名な投資家と言えばバリュー投資家だった。しかし過去に1980年代の強気相場やITバブルに沸いた1990年代、さらに2010年代など、米株高を演出してきたのはグロース株である。ラッセル1000バリュー株指数とラッセル1000グロース株指数をみると、1988〜91年のトータルリターンは前者が47%高に対し後者は97%高、1993〜20年では前者が136%高に対し後者が323%高、2006〜18年では前者が118%高に対し後者は233%高となる。今後も、手頃な価格で取得して値上がりを待つバリュー株投資はグロース株に劣るパフォーマンスにとどまるのか。詳細は、本誌をご覧下さい。 当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウォールストリート、今週は変化しつつある米国の市場環境を取り上げる。抄訳は、以下の通り。 決して満足しない米株相場—The Stock Market That’s Never Satisfied. 米株相場というものは、何を与えられるかが重要だ。業績が最たる例の一つであり、例えば資本財大手キャタピラーの決算は市場予想を上回る結果だったものの、カンファレンス・コールで最高財務責任者(CFO)が「今年のピークを迎えた」と発言し、6.2%安で取引を終えた。おかげで、同社株を構成銘柄に含むダウは400ドル以上も下落して取引を終えてしまう。 経済指標が成長鈍化を示しインフレが上向く過程では、根拠なき反応とは言い難い。しかも足元はFedが利上げサイクルにあり、米10年債利回りも3%に到達した。投資家や貯蓄者は、6ヵ月物の財務省短期証券(Tビル)で2.0%、米2年債で2.5%の利回りを得る状況だ。配当利回りが安全資産の利回りを1%上回っていた2年前と、様変わりしている。 利回り上昇は貯蓄者にとって朗報だが、債務に依存する経済には大いなるリスクを与えうる。特に利上げ期にあり、成長が鈍化に直面し、インフレが上昇中とスタグフレーション(1970年代の2桁インフレ率でなくとも)であれば、尚更だ。 5月1〜2日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、参加者は早速、こうした問題に直面するだろう。米1〜3月期実質GDP成長率・速報値は前期比年率2.3%増と市場予想を上回ったが、2017年4〜6月から3期続けての3%前後成長から鈍化した。最終実質需要は1.9%増と、2017年10〜12月期の3.4%増から大きく伸びを狭め、国内最終需要(貿易を除く)も前期の4.6%増から1.6%増へ減速した。インフレはというと、FOMC参加者が注目するPCEコアデフレーター(食品・燃料を除く)は前期比年率2.5%と2007年末以来の加速を示しており、FOMC参加者は声明文のインフレに関わる段落を書き換える必要が生じるだろう。 米国の成長率。 (作成:MGSSI) 今回のFOMCでの利上げ織り込み度は34%である一方、6月12〜13日開催のFOMCでは93%となっている。9月25〜26日のFOMCで2.0〜2.25%に引き上げられる確率は、76%。12月18〜19日開催のFOMCでの利上げ織り込み度はほぼ50%といったところだ。その間に、様々なことが起こりうる。財政刺激が成長を押し上げるか、あるいはインフレが一段と加速しかねない。そうなればさらにFOMCがタカ派へ軸足を移し、米国債の利回りは配当銘柄にさらに超えて来る余地を残す。米株相場には、好材料とは言えない。 ジャンク債と言えば、新興勢力が成長を遂げるべく高利回りで発行し割安感が非常に強い。こうしたジャンク債の発行体は、新規株式公開(IPO)や私募で資金ッ調達することも可能だ。その一例が、シェアオフィス大手ウィワークだろう。同社は7年物の社債を表面利率7.875%で、5億ドル発行した。ウィワークの業績はというと、売上が8億6,600万ドルと2倍に及んだ一方で、損失は9億3,300万ドルと2倍に膨らんだ。ただし利払い・税金・減価償却・償却控除前の利益(EBITDA)から経費を差し引いた額は2.33億ドルと、こちらも2倍となった。 ウィワークだけではない。動画ストリーミング大手ネットフリックスも、ジャンク債市場で10.5年物社債を表面利率5.875%で19億ドル発行した。問題は、なぜ成長企業が株式ではなく社債での資金調達を選んだか、である。ネットフリックスもウィワークも利払い費用を控除するほどの利益はなく、債務を通じた税金控除の利点に乏しい。仮に既存の投資家が増資を通じた希薄化を嫌気したならば、その方が合点がいく。 とはいえ、やはりジャンク債を発行する理由はジャンク債の状態にある。1990年代の成長企業は高金利を背景にゼロクーポン債の発行で、利回り負担でキャッシュ不足に陥ることを防いだ。 翻って現在、マクロメイブンスのステファニー・ポンボイ氏は、ジャンク債とFF金利誘導目標のスプレッドが足元で4%ポイントと、2007年以来で最低である点に注目。その他、過去にこれほどスプレッドが縮小したのは、1998〜99年のITバブル期が思い出される。 高利回り債とFF金利のスプレッド。 (作成:My Big Apple NY) 企業はこれまで、利回りを追求する投資家の存在のお陰でジャンク債を発行できた。しかし、必ずしも同じ状況は長く続かないだろう。既にウィワークの債券価格は値下がりをみせ、投資家は利回りだけではなくそのバランスシートにも目を配り始めた。 ——マクロメイブンスのポンボイ氏の指摘は、不穏な影を連想させます。ジャンク債とFF金利のスプレッドが縮小した後、景気後退入りしてきました。景気後退入りと言えば、逆イールドの可能性が強まったことも将来のリセッションを連想させる。この辺りについては、次回お伝えしていきましょう。 (カバー写真:Nicole/Flickr)



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