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米3月個人消費、所得税減税後でも実質の前年比は約2年ぶりの低水準

Waiting For The Tax Cuts Boosts: March Real Personal Spending Slows. 米3月個人消費支出・所得と、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値をおさらいしていきます。 米3月個人消費支出は前月比0.4%増と、市場予想と一致した。2016年2月以降続く増加トレンドを止めた前月の±0%(0.2%増から下方修正)を上回る。前年比では4.4%増と前月の4.5%増(修正値)に及ばず、5カ月ぶりの低水準となる。インフレを除く実質ベースでの個人消費は0.4%増と、市場予想の0.5%増を下回った。前月の0.2%減(±0%から下方修正)を上回り、過去2ヵ月分の減少を相殺している。ただし前年比では2.4%増と、減税効果と税還付の影響が期待されながら2016年3月以来の水準へ鈍化した。 個人消費の内訳は、前月比で以下の通り。新車販売台数が3月に回復したため、耐久財は持ち直した。一方で、ガソリン価格が伸び悩んだ影響もあり、非耐久財は前月に続き軟調。気温低下に伴い暖房需要が再燃したため、サービスは増加トレンドを保った。 ・モノは0.104%増、前月の0.423%減から改善 >耐久財 0.763%増、前月の0.400%減から改善し3ヵ月連続ぶりに増加 >非耐久財 0.234%減、前月の0.434%減に続き過去5ヵ月間で3回目の減少 ・サービス 0.609%増、前月の0.217%増を含め少なくとも18ヵ月連続で増加 米3月個人所得は前月比0.3%増と、市場予想の0.4%増を下回った。前月の0.3%増(0.4%増から下方修正)を含め、9ヵ月連続で増加している。前年比では3.6%増と2月と変わらず、2016~17年の平均値2.8%増を上回った。実質ベースでは前月比0.3%増と、9ヵ月連続で増加した。ただし前年比は1.5%増と、6ヵ月ぶりの低い伸びにとどまった。 可処分所得は2月に続き前月比0.3%増となり、9ヵ月連続で増加した。前年比は3.7%増と、4ヵ月ぶりの低水準となる。実質ベースの可処分所得は前月比0.2%増と前月の0.1%増を上回り、6ヵ月連続で増加。ただし前年比は1.7%増と15ヵ月連続で増加したが、5カ月ぶりの低水準となる。 貯蓄率は3.1%となり、前月の3.3%を下回った。2005年9月以来の水準へ低下した2017年12月の2.4%を超える水準を保つとはいえ、個人は貯蓄をあらためて取り崩しつつあるようだ。 実質ベースでの個人消費の伸びは引き続き所得を上回り、貯蓄率は小幅低下。 (作成:My Big Apple NY) 所得の内訳は、前月比で以下の通り。 ・賃金/所得 0.2%増、前月の0.4%増を下回る(民間が0.2%増と前月の0.4%以下に、サービス部門が0.4%増と前月の0.1%増を上回ったが、財部門(製造業、鉱業、建設)が0.9%減と前月の1.9%増から転じて下落) ・不動産収入 0.4%増、前月の0.8%増を下回る(農場が1.1%減と減少トレンドを維持、非農場は0.5%増と3ヵ月連続で増加) ・家賃収入 0.5%増、前月の0.3%増を含め2ヵ月連続で増加 ・資産収入 0.3%増と前月の0.4%増を含め2ヵ月連続で増加(配当が0.9%増と税制改革法案成立を支えに2ヵ月連続で増加、金利収入は0.1%減と3ヵ月連続で減少) ・社会補助 0.2%増、増加トレンドを維持 ・社会福祉 1.0%増、前月の0.3%減から改善(メディケア=高所得者向け医療保険は0.3%増と増加基調を維持、メディケイド=低所得者層向け医療保険が0.2%増と10ヵ月連続で増加、失業保険は1.5%減と2ヵ月連続で減少、退役軍人向けが1.0%増と3ヵ月連続で増加) 個人消費支出(PCE)デフレーターは原油価格が2014年末以来の高値で推移したものの、前月比±0%と市場予想と一致した。前月の0.2%には届かず、上昇トレンドを9ヵ月で止めている。前年比は市場予想通り2.0%上昇、2017年2月以来で初めてFOMCのインフレ目標値に並んだ。コアPCEデフレーターは市場予想と前月値と同じく、0.2%の上昇。前年比も市場予想と一致し1.9%上昇となり、2012年4月以来の2%乗せに接近した。 PCEはFOMCの目標値に到達。 (作成:My Big Apple NY) ――3月は個人消費と所得が伸びたように見えますがインフレの影響が大きく、実質では伸び悩みを確認しました。貯蓄率の小幅低下も重なり、減税効果を受けながら個人消費の拡大余地は限定的と考えられる。4~6月期にかけ個人消費の回復が予想される半面、2017年のような勢いは現時点で期待できそうにありません。 ▽米4月ミシガン大学消費者信頼感・確報値、見通しが押し上げ上方修正 米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は98.8と、市場予想の98.0並びに速報値の97.8を上回った。ただし、約14年ぶりのレベルに上振れした前月の101.4には届かず。内訳をみると、現況指数が114.9と速報値の115から引き下げられ、過去最高を遂げた前月の121.2からも低下、2月の水準へほぼ戻している。見通し指数は88.4と速報値の86.8から上方修正されたが、前月の88.8には届いていない。 原油先物が2014年末以来の70ドル台に乗せるなか、1年先インフレ見通しは速報値通り2.7%と、2016年4月以来の高水準だった前月の2.8%以下を保つ。5~10年先インフレ見通しは速報値の2.4%から2.5%へ上方修正、前月を含め4ヵ月連続で同水準を維持した。 ミシガン大学消費者信頼感は高止まりを維持しつつ、インフレ見通しは上向かず。 (作成:My Big Apple NY) ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は、結果を受け「税制改革へのポジティブな見方とトランプ政権の通商政策に対するネガティブな見方が拮抗している」と振り返った。見通しの上方修正が押し上げたように、消費者は将来の景気悪化を見込んでいないものの「長きにわたる景気拡大期を受け、消費者は将来のトレンドを憂慮し始めている」とも指摘。とはいえ、カーティン氏は今回、2018年の個人消費見通しを「2.7%増」と前回の2.6%増から上方修正した。ただし、年初は2.9%増だった。 (カバー写真:Alexander Rentsch/Flickr)



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