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バロンズ:就任100日を控え、トランプ米大統領の変心

Barron’s : Trump’s 360-Degree Turn, Before Welcoming 100 Days. バロンズ誌、今週は薬価の下落で株価上昇が期待されるヘルスケア銘柄を取り上げる。2016年の米大統領選以降、薬価はツイッターによりその効能を失ってきた。エイズ患者に必要不可欠な薬を55倍に及ぶ大幅値上げに踏み切ろうとしたチューリングのマーティン・シュクレリ前最高経営責任者(CEO)の例もあり、ヒラリー・クリントン候補は薬価抑制案を提示したものである。米大統領選は過去の話となったものの、トランプ米大統領は先月、製薬業界の競争を高める概要に触れ「アメリカ人は値下げを経験するだろう」とツイートした。ビジネス目線の政策が期待されるため、バイオ関連株は同ツイートから1週間後に1%高へ転じたが、薬価を引き上げて利益を確保してきた製薬会社は転換点を迎えるだろう。 トランプ政権が行動に出なくとも、特許の期限切れを迎えるなど市場原理で薬価は下落せざるを得ない。ただし、バロンズ誌はレジェネロン・ファーマシューティカルとヴェルテックス・ファーマシューティカルズは新薬開発と患者数の増加を頼りに成長が期待できると指摘する。詳細は、以下をご覧下さい。 トランプの転換=Trump’s About-Face. 「愚かな一貫性は狭い心が化けた物である」とは、哲学者ラルフ・ウォルドー・エマーソン氏の名言だ。しかし、ドナルド・トランプ米大統領は小さな心そのものを証明している。 先週、就任100日を前にトランプ米大統領はあらゆるテーマで意見を反転させた。北大西洋条約機構(NATO)は最早「時代遅れ」ではなく、輸出入銀行は不必要でなくなり、中国を為替操作国と認定しないと発言。さらには、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のインタビューで、医療保険制度改革(オバマケア)撤廃・代替案移行をめぐり360度転換し政権が最優先する課題だと伝え、「驚くべき」税制改革を事実上、棚上げした。 取引が得意なトランプ米大統領にとって中国を為替操作国と認定しない、貿易条件を有利にするとの発言は、金日成生誕105周年記念を前に北朝鮮問題で中国の支援が必要と算段した上での決断だろう。人民元をめぐっては、人民元買い・ドル売り介入で人民元を支えていた実体への理解でもあるはずだ。 強いドルをめぐっては、態度を一貫させている。WSJ紙で「ドルは強過ぎる」とあらためて表明した。 戦後の米大統領、就任100日の支持率は以下の通り。 (出所:The American Presidency Project) しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長をめぐる対応では方針を180度転換しつつある。イエレンFRB議長を「彼女が好きだし、尊敬している」と評価しただけでなく、議長を再指名するか否かについて明言を避け「時期尚早」と言及するにとどめた。低金利を好むコメントすら飛び出す有様で、かつて選挙中にCNBCで「恥を知るべきだ」と口撃していた時とは雲泥の差である。 トランプ米大統領が低金利政策を支持する以前に、FF先物市場で利上げ織り込み度は低下している。年内あと2回、2017年で3回の利上げが想定されてきたが、6月利上げ織り込み度は10日週の終わりに50.1%と7日の55.6%から低下した。12月利上げは41.6%と、7日の55.8%から落ち込んだ。米10年債利回りも2.25%と、1ヵ月前の2.63%から大幅低下している。おまけに、金融セレクト・セクターSPDR(XLF)は9.3%下落、調整相場の10%に接近中だ。 経済指標も、変化しつつある。米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値が2004以来の高水準をつけたにも関わらず、米3月小売売上高は2ヵ月連続で減少、ガソリン価格が下落したものの裁量消費を押し上げられなかった。さらに、米3月消費者物価指数まで予想外にマイナスへ転落した。JPモルガンは携帯料金の値下げを挙げているが、それでも弱い。 マーケットは、リフレ・ストーリーはトランプ政権の税制改革や規制緩和が軸に展開されてきた。NFIB中小企業楽観度指数は2004年以来の水準へ急伸、まさにその期待を裏打ちしてきた。しかし、3月分は頭打ちの兆し見せただけでなく、NFIB中小企業楽観度指数のうち不透明指数は過去2番目の水準へ上振れした。内政ではなく海外に目を向け地政学リスクに対応するトランプ米大統領の変心は、メインストリートだけでなくウォールストリートを揺るがしうる。 ——筆者は以前からイエレンFRB議長の続投を念頭に入れていたので、トランプ米大統領の方向転換は意外性を感じていません。そもそも政権内でクシュナー上級顧問をはじめコーン国家経済会議(NEC)議長をはじめとしたNYリベラル派閥が勢力を強めれば、イエレンFRB議長を更迭するとは考えられない。そもそもクシュナー上級顧問とコーンNEC議長は民主党寄りで、イエレンFRB議長も民主党側の人物です。またコーンNEC議長と言えばゴールドマン・サックス時代にフィクスト・インカム部門を率いており、当時チーフエコノミストだった現NY連銀のダドリー総裁と太いパイプがないわけがありません。 また地政学的リスクの傾倒、特にシリア攻撃は党派を超えた結束をつかむ糸口との計算が働いたものと考えられます。ロシア・ゲートを世間の目から逸らすことにも成功したはずです。北朝鮮問題は、中国との交渉カードとして有効との印象を与え、為替操作国認定をしない言い訳が出来上がりました。一連の決断は絶妙でしたが、市場は経済指標の鈍化とともに税制改革や規制緩和の立ち後れに見逃しておらず、好調だった銀行決算にも反応薄。トランプ米大統領は、就任100日に過去最低の支持率を記録する運命から逃れられそうにありませんね。 (カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)



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